こんな証拠があるといい①交通事故編

弁護士の北村です。今日は雪も降ってとても寒いですね。

 

さて,今回から数回に分けて,案件ごとにどんな証拠が有用かについて話をしてみようと思います。もっとも,以下の話はあくまで一般的な傾向であり,事案によって異なる点も少なくはないことを,念のため付け加えておきます。

1回目は,交通事故についてです。資料の取得が容易であまり争いにならない点については省略し,当事者の方に収集をお願いすることが多い資料にしぼって紹介します。

 

(1)過失割合について

過失割合が争いになっている場合,そもそもお互いの動き方や速度,位置関係などについて主張が食い違っていることがほとんどです。ベストな証拠はドライブレコーダーなどの動画データでしょうか(角度次第ではありますが)。事故現場の写真やストリートビューを証拠化することも多いです。実況見分調書などの刑事記録や会話の録音データなどがあれば,当事者がいつどんな主張をしているのかが分かりますが,これらが決定的な証拠になるとは限りません。

 

(2)物的損害(車両)について

修理費は,通常は相手方任意保険会社のアジャスターが見積りを出します。これとは別に見積りを取得したり車両の写真を撮ったりすることが有用な場面もありますが,一般的には修理見積りの内容を争うのは難しい印象があります。

車両時価については,いわゆるレッドブックやウェブサイト上の中古車情報が算定根拠となります。変わった仕様の車両の場合,仕様の詳細が分かる資料(車検証や車両写真など)があると,それを前提とした条件検索がしやすくと思います。

営業車について休車損害を請求するためには,利益(売り上げおよび経費)に関する資料や,予備車両がないことを証する配車表などが必要になります。これも,一般的には立証が簡単ではない印象があります。

 

(3)休業損害について

給与所得者の場合には,勤務先に休業損害証明書を記入してもらえば足ります。

個人事業主の場合には,基本的には直近年度の確定申告書をベースに算定します(所得そのものとは異なります)。確定申告書の記載と実態との間にずれがあり,実態に即した算定を求める場合には,現実の収入・経費や生活状況等についての資料が必要となります。

 

(4)所持品・備品等について

購入時ないし再取得時の領収書等が必要です。物品によっては,減価償却を考慮する必要があるものもあります。

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