茨城県の弁護士 相続の話2

弁護士の高田です。前回に続いて、相続について考えてみたいと思います。

相続は、多くの人にとって、何度か発生することのある法律上の問題です。この際、不動産や預貯金など、積極的な財産が相続されるだけなら良いのですが、借金や義務などが相続されることもあり、注意して当たる必要のある事柄です。

相続は、民法上、①単純承認、②相続の放棄、③限定承認の三つの種類があります。

今日は②相続の放棄について、説明したいと思います。

相続の放棄をすると、放棄した人はその相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(939条)。

相続の放棄をすると預金や不動産などの財産を承継しないだけではなく、債務も承継しなくてすみます。ここに相続放棄の特徴があります。

相続の放棄は、遺産分割協議書上の相続放棄(自分は一切遺産を取得しない旨の遺産分割)と混同されることがあります。遺産分割協議書上で被相続人の債務を負わない旨の記載をしたとしても、これを被相続人の債権者に主張することはできません。家庭裁判所において相続放棄の手続をしなければ、相続人はその相続分に応じて被相続人の負っていた債務を負うことになってしまうのです。

相続の放棄を行うためには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述の手続を行うことになります。また、前回お話ししたように期間の制限もあります。手続に必要な書類を集めることに意外と手間取ることもありますので、はやめに対応することをおすすめします。

必要な書類は、相続放棄をする人と被相続人との関係によって異なります。被相続人の住民票除票又は戸籍附票、放棄をする人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本などが要求されます。

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