弁護士の若林です。
今回も、引き続き破産についてお話をしたいと思います。
破産をするにあたり、勤務先やご家族との関係を気にされる方も多くいらっしゃいます。
まず、勤務先との関係ですが、
勤務先から借入をしていたり、勤務先が貸付金を給料から天引きしているといった事情がなければ、
破産手続きを進めているという連絡が勤務先へ行くことはありませんし、
勤務先の人が官報を確認するなどしない限り、通常、破産したことが勤務先に知れる心配はほとんどありません。
次に、ご家族との関係ですが、
別居しているご家族の場合は、勤務先との関係と同様に、
ご家族から借入をしていたり、ご家族に対して借入金の返済をしているといった事情がなければ、
ご家族に知られることなく破産手続きを進めることは可能です。
他方、同居中のご家族の場合、知られずに手続きを進めることは非常に難しいと思います。
破産手続きを進めるにあたっては、裁判所に対して、同居のご家族も含めた家計状況等を説明しなければなりません。
そのため、必要書類の収集や収支確認等の面で同居のご家族の協力が必要不可欠となります。
「破産をすることは知られたくない。」というお気持ちもわかります。
でも、いつ発覚するかと怯えながら手続きを進めることは、肉体的にも精神的にも大きな負担になります。
なにより、これまでの経済生活をリセットし、新たなスタートを切るためにはご家族の協力は絶対に欠かせません。
ですので、私としては、ご家族に知られないように破産手続きを進めるという方法はおススメしません。