弁護士の北村です。湿っぽく過ごしにくい日が続きますが、雨上がりの草木の表情は好きだったりします。
さて、今回のテーマは相続です。
相続における法的争いは、遺言の有効無効、不動産(土地・建物・田畑)や株式などの評価額、生前贈与が特別受益となるか、事業や介護への貢献が寄与分となるか、誰がどの財産を取得するか、生前および死後の使途不明金など、非常に多岐にわたります。これらについては別の機会に譲ります。
意外と困るのが、(所在はわかっているのに)協力してくれない相続人がいる場合です。多くはありませんが、時折、相続人に連絡を取っても何の返事もなかったり、あるいは手続に協力しない旨回答を受けることがあります。
その場合、相続人全員を当事者として、家庭裁判所で遺産分割調停(ないし審判)を行うことになります。審判が確定してもお金を受け取ってもらえない場合、法務局への弁済供託という手続を行うことで、相続手続を完了させることができます。
ただし、手順を踏んで手続を進める必要があるため、結構な手間と時間がかかってしまいます。どうすればよいかお困りでしたら、ぜひ弁護士にご相談ください。
因みに、所在がわからない法定相続人がいる場合、また手続が変わってきます。その場合、所在調査を経て、公示送達という手続を踏んで遺産分割審判を行う、もしくは家庭裁判所で不在者財産管理人を選任してもらい遺産分割協議を行う、などの方法が考えられます。この場合も複雑な手続が必要になるので、ぜひ弁護士にご相談ください。