弁護士の若林です。
東京商工リサーチの発表によれば、2015年(平成27年)の全国企業倒産件数(負債1000万円以上)は8,812件と25年ぶりに9,000件を下回ったそうです。
企業倒産件数は年々減少傾向にありますが、当事務所で受ける相談件数は一定数あり、毎年複数件の法人破産の申し立てを行っています。
ご相談を受けた法人が事業継続もしくは再生が可能かどうかは、決算書等資金繰りに関する資料から大体の見当をつけることができます。
もっとも、資金繰りに関する資料からは法人代表者の方が事業継続のために並々ならぬ努力をしてきたことが読み取れますし、面談の際には、法人を「わが子」のように大切に育ててきた経緯、従業員やその家族、取引先関係者に対する思い等を伺います。
そのため、資料だけで判断することはせず、毎回、私達が考えられる限りの可能性を模索し、何とか事業継続の途がないかを検討するようにしています。
しかしながら、検討に検討を重ねた結果「破産」という選択肢しかなければ、私達はその事実を伝えるしかありません。弁護士にとって、この瞬間が一番辛いです。「もう少し早く相談に来てもらえれば・・・」と悔しい思いをすることがしばしばあります。
とはいえ、弁護士の感じる辛さなど法人代表者の方の辛さの比ではありません。ですから、私達は、いつも法人代表者の方の不安を少しでも解消できるよう全力でサポートしようと心掛けています。
次回からは、法人破産の手続きについて連載しようと思います。特に法人代表者の方のお役に立てれば幸いです。