1 総論
「残業代を請求された」
「解雇無効を主張された」
「労働者が仕事中に怪我をしてしまった」
「セクハラ,パワハラを主張された」
使用者側の労働問題で何よりも重要なのは,事前の対策,対応です。
例えば,残業代を請求された場合,残業代を支払わなくて済むか,あるいは少額で抑えられるかは,事前の対策,対応によって大きく左右されます。
残業代請求案件では,会社側から給料の中に残業代も含まれていると主張されることがよくありますが,給料の中に残業代も含まれているというためには,給料のうち残業代にあたる部分が明確に区別されていなければならないとされております。したがって,残業代はすでに支払っていると主張するためには,労働契約書に基本給と残業代の部分を明確に記載し,給与明細でも基本給と残業代を分けて記載した上で,給与の支払いをするといった事前の対策,対応を取ることが必要不可欠です。
このように,事前の対策,対応が十分に取られていれば,不要な労働紛争を回避することができ,労使双方にとってもメリットが大きいといえます。
2 弁護士に依頼するメリット
①弁護士目線での就業規則の見直し
就業規則や労働契約書を見直すことで,労務管理体制を強化し,紛争を回避することができます。
特に,労働審判,訴訟の経験のある弁護士目線から,就業規則等を見直し,労務管理体制が労働審判や訴訟に耐えうるものなのか,再度チェックすることは会社にとって非常に有益であると思われます。
②労働審判対応
労働審判を申立てられた場合,原則として3回の期日で労働問題の解決を目指すことになります。基本的に争点に関する重要な事実と証拠は,労働者であれば申立書の段階で,使用者であれば答弁書の段階ですべて出し切ることが求められています。
労働者側は労働審判申立までに十分な時間をかけ,申立書の準備をすることができますが,使用者側はそうはいきません。労働審判の第1回期日は原則として申立てから40日以内の日に指定され,答弁書の提出期限は1週間ないし10日以内に設定されますので,かなりタイトなスケジュールで答弁書を提出しなければなりません。
通常の仕事をしながら,答弁書を作成する負担は非常に大きいです。
弁護士に依頼すれば,その負担を軽減することができ,本来の業務に割ける時間を増やすことができます。
③訴訟対応
訴訟提起された場合には,労働者側も弁護士を代理人としていることが多いです。労働者と対等な立場で訴訟を進行していくためには,会社も弁護士を代理人とすることをおすすめします。
3 業務に対する心構え
使用者側の労働問題は,事前の対策,対応が重要であるとの視点から,就業規則等の労務管理体制の見直しをご提案させていただいております。
また,労働問題に発展した段階からのご相談でも,誠心誠意対応し,問題の解決を図るのはもちろんのこと,問題が解決した場合には,今後どのような対策が必要なのかご提案させていただきます。
是非一度,ご相談下さい。