弁護士の大和田です。
そもそも、相続人がいないというケースがあるのかという疑問もあるかと思いますが、このような相談も意外と多いです。核家族化、少子高齢化が進んでいる現代においては、今後さらに相談も増えてくるかもしれません。そこで、今回は、相続人がいない場合の遺産の処理についてご説明したいと思います。
例えば、友人が入院していて、身寄りがないため通帳などを預かっている中、その友人が亡くなってしまったような場合、その預貯金を勝手に処分するわけにはいきません。まずは、戸籍を調べて本当に相続人がいないのか調査する必要があります。
そして、相続人が戸籍上確認できない場合には、裁判所に相続財産管理人選任の申立てをすることになります。
相続財産管理人が選任されれば、財産を引き継ぎ、後は相続財産管理人が、その財産を清算するための手続きを取っていくことになります。
相続財産管理人の申立ては一般の人でもできます。もっとも、相続人がいないことを確認するために沢山の戸籍を集めなければならないことが多く、一般の人が申立てをするのは思いのほか大変です。
また、申立後に、特別縁故者の主張などをする場合には、裁判例の検討も必要なことがあります(特別縁故者とは何なのかについては、次回以降解説します。)。
このように、相続人がいないケースでも弁護士などの専門家の力を必要とすることは意外と多いです。ご自身がそのような立場になった場合には、まずは、弁護士などの専門家に相談されてみてもよいかと思います。