弁護士の大和田です。
引き続き,遠方の裁判所で訴えられた場合の対応について書きたいと思います。
今回取り上げるのは,「電話会議システム」についてです。
前回は「移送」を取り上げましたが,重要な証人が原告と被告の両所在地にいる場合などは,移送が認められないこともあります。
その場合,弁護士に事件処理を依頼していれば,弁護士が遠方の裁判所まで行き,訴訟対応していくことになりますので,裁判の度に自ら出廷する必要はありません。
しかし,例えば遠方の裁判所までの交通費,宿泊費,日当などはいただくことになりますので,裁判の度に経済的な負担は大きくなります。
また,出廷に一日を要するような遠隔地の場合には,丸一日予定のない日でなければ裁判期日が入らないので,なかなか裁判日が決まらず訴訟が遅滞することもあります。
そのような場合には,電話会議システムを利用し,依頼者様の負担を軽減するとともに,訴訟を円滑に進めていくことが考えられます。
電話会議システムとは,裁判所が電話会議システムの利用を相当と認められば,当事者の一方は裁判所まで出廷することなく,電話で裁判手続きを行うことができるというものです。
このように,遠方の裁判所で訴えらえた場合には,移送の他にも対応する手段はありますので,お気軽にご相談いただければと思います。