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別居後の生活費について

2019-08-29

弁護士の北村です。

 

髙田知己法律事務所では,交通事故や債務整理のみならず,離婚・男女問題についても数多くのご相談を取り扱ってきました。

離婚問題について弁護士にご相談されるタイミングは事案により様々ですが,別居が一つの区切りであることは少なくありません。

 

さて,別居中であっても,法律上夫婦は相互に扶養義務を負っています(民法第752条)。そのため,別居後,夫婦の一方(多くの場合妻)は,他方配偶者(多くの場合夫)に対して,生活費の支払いを請求することができます。いわゆる婚姻費用分担請求権です。

婚姻費用には,配偶者の生活費と子の看護養育費用の双方を含むと解されています(因みに,離婚が成立した後には後者すなわち養育費のみを請求することができます)。実務上は,夫婦双方の収入状況に応じた算定表が金額の目安とされることが多いです。

 

婚姻費用の金額について任意の話し合いで決まらなかった場合,家庭裁判所に調停を申し立てることができます(婚姻費用分担請求調停)。この調停は,離婚調停とは別の手続になります(多くの場合同じ期日の中で取り扱われることになりますが)ので,注意が必要です。調停でも決着が付かない場合,家庭裁判所が双方の収入などの客観的資料に基づいて審判を下すことになります。

調停や審判で婚姻費用の支払義務が認められたにもかかわらず,任意に支払がなされない(あるいは途中でストップする)ケースもあります。その場合には,義務者の給与債権等の強制執行(差押え)等を検討することになりますが,現行法の制度下なかなか容易ではない,というのが正直なところです。婚姻費用や養育費の支払実現については,法改正も検討されているようであり,今後の改善が待たれるところだと思っています。

臨時休業のお知らせ

2019-08-22

平素よりご愛顧を賜り誠にありがとうございます。

さて、誠に勝手ながら、8月28日(水)は社内研修のため、臨時休業とさせていただきます。

8月29日(木)以降は通常業務となります。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、ご容赦の程、よろしくお願い申し上げます。

 

所長 弁護士 髙田知己

令和元年8月の当事務所の受付時間について

2019-08-14

高田知己法律事務所の令和元年8月の受付時間について。お盆期間について通常通り9時から17時(お昼休み時間12時から13時)まで行っています。

人身傷害保険について

2019-08-10

 

弁護士の小沼です。

今回は,自動車保険における人身傷害保険についてご説明いたします。

1 人身傷害保険とは

 人身傷害保険は,自動車の任意保険に加入する際,特約として選択しうる保険です。交通事故により負傷した場合,自身の加入している保険会社から補償を受けることが可能となります。

2 利点

 加害者が任意保険に加入しておらず,同人の資力が十分でない場合には,自賠責保険以上の賠償を受けられない可能性があります。また,双方に過失のある事故の場合,相手方から支払われる賠償金は,相手方に過失が認められる範囲に限定されます。このように,相手方から賠償を受けられない場合に,自身の保険会社から補償を受けることができるというメリットがあります。

3 まとめ

 人身傷害保険を特約として付加する場合には,月々の保険料があがってしまうというデメリットはあります。しかし,交通事故は加害者を選べるわけではありません。加害者が任意保険に加入していなかったり,資力に乏しかったりすると,十分な賠償を受けられない可能性があります。もしもの場合に備えて,人身傷害保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

残業代請求 ~解決事例~

2019-07-16

弁護士の大和田です。

本日から、当事務所の各弁護士も弁護士ドットコムの掲載を開始しました。

私の方では、残業代請求の解決事例も載せており、今後も随時更新していく予定です。

弁護士に依頼する時にはどのような案件を扱ったことがあるかも気になるところと思いますので、参考にしてみてください。

次回以降は、また残業代請求で問題となることを取り上げていきたいと思います。

 

相続第9回目「改正相続法の概要―法改正の話②―」

2019-07-01

弁護士の若林です。

7月に入りましたね!
今日から2019年下半期がスタートするわけですが、改正相続法も、一部の規定を除いて本日より施行されます!
本来であれば相続第9回目以降は引き続き「相続財産の内容」について説明をする予定だったのですが、せっかくなので今回から本日より施行される新制度について説明していきます。

さて、相続法の改正点の概要は以下のとおりです。
① 配偶者の居住権を保護するための方策
② 遺産分割等に関する見直し
③ 遺言制度に関する見直し
④ 遺留分制度に関する見直し
⑤ 相続の効力等に関する見直し
⑥ 相続人以外の者の後見を考慮するための方策

これらの概要をさらに細かく見ていくと
① 配偶者の居住権を保護するための方策として
(1) 配偶者居住権の新設
(2) 配偶者短期居住権の新設
② 遺産分割等に関する見直しとして
(1) 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定規定)
(2) 遺産分割前の仮払い制度等の創設等
(3) 遺産の分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲
③  遺言制度に関する見直しとして
(1) 自筆証書遺言の方式緩和
(2) 遺言執行者の権限の明確化等
④ 遺留分制度に関する見直しとして
(1) 遺留分侵害があった場合の権利が金銭債権化
(2) 金銭債務の全部または一部の支払につき期限の許与
⑤ 相続の効力等に関する見直しとして
(1) 法定相続分を超える権利取得の対抗要件
⑥ 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策として
(1) 相続人以外の被相続人の親族を保護する規定の新設
となります。

このうち、③(1)については、平成31年2月12日のブログでも触れたとおり、平成31年1月13日から施行されています。
また、①については、令和2年(2020年)4月1日から施行されることになっています。

つまり、②、③(2)、④~⑥についてが本日より施行されるわけです。
 
次回から、改正点の具体的な内容について説明していきます。

全国倒産処理弁護士ネットワーク第41回関東地区研修会

2019-06-17

弁護士の高田です。

全国倒産処理弁護士ネットワーク第41回関東地区研修会(茨城)に参加してきました。茨城県水戸市に所在します常陽藝文ホールにて、令和元年6月5日(水)に行われました。

まず、特別講演として、「水戸地方裁判所管内における最近の倒産事件の動向」が水戸地方裁判所第2民事部の部総括判事から述べられました。。

そして、基調講演のして「再建型私的整理について」が東京弁護士会所属弁護士の先生から発表されました。

パネルディスカッションは、「事業継続中の法人から債務整理の依頼を受けた場合の対応について」というテーマで行われました。

今回のパネルディスカッションは、我々弁護士が日常とても多く接する機会がありそうな設例に従ってなされていました。とても、参考になる発言が随所にみられて勉強になるディスカッションでした。

 

車両保険について

2019-06-03

 弁護士の小沼です。今回は,自動車保険における車両保険についてご説明いたします。

1 車両保険とは
 車両保険とは,任意保険の特約にあたる保険です。
 同特約を付加していると,自分の車が損傷したときなどに,自分の保険会社から保険金の支払いを受けることができる場合があります。

2 メリット
 双方に過失が認められる交通事故の場合,自分の車が損傷しても,相手方から賠償を受けることができるのは,相手方に過失が認められる部分のみになります。これに対し,車両保険を付加していた場合は,自分の車の損害について,自分の過失部分を含めて保険金を受け取ることができます。

3 デメリット
 特約を付加することになるので,保険料が増加します。また,車両保険を使用すると,通常は等級が変更されます。

4 まとめ
 金銭的な負担は増えますが,加害者が任意保険に加入していなかったり,資力に乏しかったりするリスクも考えると,加入を検討してみてもよいのではないでしょうか。

弁護士とプロフェッション。

2019-05-24

弁護士の北村です。

 

皆さんの中には,弁護士について「依頼者の言う通りに行動する」「依頼者の利益のためなら何でもする」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし,私はそれは正確ではないと思っています。

弁護士は,西欧では伝統的に,医師や聖職者と並んで「プロフェッション」と呼ばれてきたと聞きます。プロフェッションの定義については,難しいところがありますが,簡単に言えば,体系的な学識と技能,倫理感に基づき,究極的には社会全体の利益に尽くす専門職ということでしょうか。

私は,弁護士は,法律問題の専門職として,専門家の目から具体的事案を見通し,依頼者によりよい解決のための情報提供を行う責務を負っていると考えます。依頼者の要望と弁護士の考える最善のプランが異なる場合には,そのことを十分に説明し,よく協議を行った上で方針を決めるべきであり,漫然と依頼者の言う通りにするのみでは専門職の責任を果たしたとは言えないのではないか,と思っています。法律や弁護士倫理に違反する行為をしてはならないことは言うまでもありません。

そのために,私たちは,依頼者の要望や具体的な事実関係に丁寧に耳を傾け,こちらの法的見解を十分に説明した上で方針を決定することを心掛けています。簡単なことではありませんが,プロフェッションとして日々研鑽を重ねています。

 

 

残業代請求 ~時効~

2019-05-07

弁護士の大和田です。

 前回に引き続き,残業代請求案件で問題となる点を取り上げたいと思います。

 今回取り上げるテーマは,時効についてです。

 

 残業代請求の消滅時効は2年とされております(労働基準法115条。最近では,民法改正に合わせて5年にすべきではないかとの議論もあります。)。

 

 では,時効はいつから進行するのでしょうか。

月給制の方の場合,時効は各月の賃金支払日から進行することになります。

 例えば,月末締め翌月10日払いの方の場合,1月の給料の支払日は2月10日になりますから,1月の残業代の時効は2月10日から進行することになります。

 時効の進行が始まってから2年以内に時効中断の措置をとらなければ,使用者に消滅時効を援用され,残業代が請求できないことになります。消滅時効に関しては,客観的に期間が経過し,時効援用された場合には争うことは大変難しいですから,早めの対応が必要です。

 このように2年以上働いている会社に残業代を請求する場合には,時効に注意を払う必要がありますので,弁護士に相談することをおすすめします。

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