Archive for the ‘未分類’ Category

相続人がいなかったら①

2020-03-09

弁護士の大和田です。

そもそも、相続人がいないというケースがあるのかという疑問もあるかと思いますが、このような相談も意外と多いです。核家族化、少子高齢化が進んでいる現代においては、今後さらに相談も増えてくるかもしれません。そこで、今回は、相続人がいない場合の遺産の処理についてご説明したいと思います。

例えば、友人が入院していて、身寄りがないため通帳などを預かっている中、その友人が亡くなってしまったような場合、その預貯金を勝手に処分するわけにはいきません。まずは、戸籍を調べて本当に相続人がいないのか調査する必要があります。

そして、相続人が戸籍上確認できない場合には、裁判所に相続財産管理人選任の申立てをすることになります。

相続財産管理人が選任されれば、財産を引き継ぎ、後は相続財産管理人が、その財産を清算するための手続きを取っていくことになります。

 相続財産管理人の申立ては一般の人でもできます。もっとも、相続人がいないことを確認するために沢山の戸籍を集めなければならないことが多く、一般の人が申立てをするのは思いのほか大変です。

 また、申立後に、特別縁故者の主張などをする場合には、裁判例の検討も必要なことがあります(特別縁故者とは何なのかについては、次回以降解説します。)。

 このように、相続人がいないケースでも弁護士などの専門家の力を必要とすることは意外と多いです。ご自身がそのような立場になった場合には、まずは、弁護士などの専門家に相談されてみてもよいかと思います。

令和2年スタート

2020-01-09

弁護士の北村です。

新元号になって最初の年明けとなりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて,一般企業や学校などでは4月が入社や入学の季節ですが,弁護士業界では,12月中旬頃と1月1日が最も伝統的かつポピュラーな新規登録の時期となっています。その理由は,法曹養成課程である司法修習の修了試験結果発表が12月中旬頃に行われるためです。かく言う私も,昨年12月に弁護士登録から満6年となりました。

時事ネタになりますが,最近日本の法曹や司法制度に対する世間の風が厳しくなっているよう思います。国内外から様々な変革を求められている令和の今,法律専門家としてのスキルと倫理観,そして人間としてのマインドをさらに磨いていかなければ,と身を引き締めています。

 

逮捕されそうになったら

2019-12-05

弁護士の大和田です。

今回は刑事事件における私選弁護人のメリット、デメリットについて解説致します。

弁護人には、自ら又は家族などが費用を負担して選任する私選弁護人と国選弁護人があります。

メリット1 いつでも選任できる

国選弁護人は、逮捕後に勾留された段階から選任が可能となります。これに対し、私選弁護人はいつでも選任することができます。逮捕されただけでは国選弁護人を選任することはできませんので、逮捕段階あるいはその逮捕される前から選任できるところに私選弁護人のメリットがあります。例えば、傷害事件など被害者のいる事件において、逮捕段階で私選弁護人を選任し、被害者と示談をして勾留(最長で20日間)を回避するというような対応も考えられます。

メリット2 自分で選べる

国選弁護人は選ぶことはできませんが、私選弁護人は選ぶことができます。国選弁護人と気が合わないという場合でも、違う国選弁護人を選任してもらうということは基本的にできません。弁護人にも様々なタイプがあり、刑事事件の経験も様々ですから、自分にあった弁護人を選ぶことができるというのはことのほか大きなメリットといえるでしょう。

メリット3 複数選任できる

国選弁護人の場合、裁判所の許可がなければ一人の弁護人で対応せざるを得ません。これに対し、私選弁護人であれば、自らの意思で複数の弁護人を選任可能です。当事務所では弁護士が6名おりますので、希望に合わせて複数の弁護人を選任できますし、複数選任したとしても費用は変わりません。刑事事件も様々な観点から考える必要がありますので、複数選任ができる点もメリットといえるでしょう。

デメリット 費用がかかる

これに対し、私選弁護人のデメリットは費用がかかることが挙げられます。経済的な余裕がない場合には、国選弁護人の選任を待つことになるでしょう。

小括

以上のように、経済的な負担があるということ以外は、私選弁護人を選任するメリットは大きいといえます。刑事事件でお困りの際には、お気軽にお問合せ下さい。

 

裁判IT化について

2019-11-07

弁護士の北村です。

 

社会のIT化,デジタル化が進んで久しいですが,裁判手続においては2019年現在でも濃いアナログ色が残っています。

裁判期日には,基本的には裁判所に出頭する必要があり,電話会議システムやテレビ会議システムが活用される場合は限定的です(弁護士としても,電話会議より直接出頭の方が優れているような感覚が染みついています)。

提出書類は,原本および副本ないし写しを,裁判所に持参もしくは郵送・FAXで提出するよりありません。また,基本的には書面への押印が必要です。手続に必要な収入印紙や郵券も,基本的には物納です(手続によっては電子納付ができますが,限定的です)。事件記録の管理をデジタル化している弁護士もかなり少数だと思います。社会で広まっているオンライン化,ペーパーレス化,電子署名化といったところは,まだまだ浸透していません(もちろん,法律上の権利義務にかかわるというセンシティブな世界であるため,紙媒体の原本が重視されることにも相応の理由があるわけですが)。

 

とはいえ,裁判手続IT化に向け,時代の要請は高まっているようです。現在,民事裁判手続における書面や証拠のオンライン提出システムの導入や,手続のウェブ会議システムの導入の方向で議論が進んでいます。具体的な制度設計については,これから明らかにされることと思います。

 

法律も手続も大変革の最中にあるといえますが,髙田知己法律事務所は,社会の最前線におけるニーズに応え続ける法律事務所を目指してまいります。そのためには,今後とも最新情報のフォローアップを続けていかなければ,ですね。

相続第10回目「改正相続法の概要ー配偶者の居住権を保護するための方策」

2019-09-09

弁護士の若林です。

今回は、改正相続法のうち、①配偶者の居住権を保護するための方策について見ていきます。

 現代は「人生100年時代」という言葉が象徴する様に平均寿命が伸びており、従来に比べると相続開始時の配偶者相続人年齢が高齢化しています。そして、高齢の方にとって居住環境の変更は特に大きな負担となるため、相続開始後も住み慣れた住居での生活を希望される方が多いです。
 被相続人の財産に配偶者が居住している不動産が含まれている場合、上記希望を叶えるためには、不動産を配偶者が相続する(所有権を取得する)、又は、不動産を相続する相続人と配偶者間で賃貸借契約を締結する内容で遺産分割協議をまとめられれば良いのですが、残念ながら調整がつかないこともあります。
また、不動産を配偶者が取得することになった場合でも、不動産の評価額が高額で配偶者がそれ以外の相続財産(例えば預貯金や現金等)を相続することができず、今後の生活資金に不安が生じることもあります。
このような事態を踏まえ、法改正の結果、以下の内容の条文が設けられました。

民法第1028条
 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(居住建物)の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
 1 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
 2 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
(以下略)

 改正相続法では、配偶者に居住建物の無償使用権限を認める配偶者居住権を新設し、配偶者が居住建物に住み続けることができるようにしました。しかも、配偶者居住権の取得額は居住建物の所有権の取得額よりも低廉であるため、配偶者居住権を取得した上で更にその他の相続財産(現金や預貯金等)を取得しやすくなります。
 さらに、次回以降に触れる「持ち戻し免除の意思表示の推定」が及ぶ事案であれば、配偶者の具体的相続分から配偶者居住権の取得額を控除する必要がなくなります。

別居後の生活費について

2019-08-29

弁護士の北村です。

 

髙田知己法律事務所では,交通事故や債務整理のみならず,離婚・男女問題についても数多くのご相談を取り扱ってきました。

離婚問題について弁護士にご相談されるタイミングは事案により様々ですが,別居が一つの区切りであることは少なくありません。

 

さて,別居中であっても,法律上夫婦は相互に扶養義務を負っています(民法第752条)。そのため,別居後,夫婦の一方(多くの場合妻)は,他方配偶者(多くの場合夫)に対して,生活費の支払いを請求することができます。いわゆる婚姻費用分担請求権です。

婚姻費用には,配偶者の生活費と子の看護養育費用の双方を含むと解されています(因みに,離婚が成立した後には後者すなわち養育費のみを請求することができます)。実務上は,夫婦双方の収入状況に応じた算定表が金額の目安とされることが多いです。

 

婚姻費用の金額について任意の話し合いで決まらなかった場合,家庭裁判所に調停を申し立てることができます(婚姻費用分担請求調停)。この調停は,離婚調停とは別の手続になります(多くの場合同じ期日の中で取り扱われることになりますが)ので,注意が必要です。調停でも決着が付かない場合,家庭裁判所が双方の収入などの客観的資料に基づいて審判を下すことになります。

調停や審判で婚姻費用の支払義務が認められたにもかかわらず,任意に支払がなされない(あるいは途中でストップする)ケースもあります。その場合には,義務者の給与債権等の強制執行(差押え)等を検討することになりますが,現行法の制度下なかなか容易ではない,というのが正直なところです。婚姻費用や養育費の支払実現については,法改正も検討されているようであり,今後の改善が待たれるところだと思っています。

臨時休業のお知らせ

2019-08-22

平素よりご愛顧を賜り誠にありがとうございます。

さて、誠に勝手ながら、8月28日(水)は社内研修のため、臨時休業とさせていただきます。

8月29日(木)以降は通常業務となります。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、ご容赦の程、よろしくお願い申し上げます。

 

所長 弁護士 髙田知己

令和元年8月の当事務所の受付時間について

2019-08-14

高田知己法律事務所の令和元年8月の受付時間について。お盆期間について通常通り9時から17時(お昼休み時間12時から13時)まで行っています。

連休中の業務について

2019-04-27

連休中の業務についてお知らせ致します。4月27日から5月6日までお休みとさせていただきます。ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

髙田知己法律事務所

茨城県弁護士会土浦支部の支部長を拝命いたしました。

2019-04-17

弁護士の高田知己です。令和元年度茨城県弁護士会土浦支部の支部長を就任致しました。茨城県弁護士会には水戸・下妻・土浦の三支部があります。土浦支部は、つくば市かすみがうら市石岡市牛久市など近隣地区はもちろん、鹿嶋市神栖市、龍ヶ崎市守谷市など茨城県の南を大きく占める地域になります。土浦支部の弁護士を利用する方々がより弁護士を利用しやすくなるように、また、所属する弁護士が働きやすくなるように、微力を尽くしたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

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