弁護士の若林です。
相続2回目は「相続分はどのくらい?」です。
第1回では磯野家を題材に「誰が相続人になるか」を説明しました。
波平さんの相続人は、舟さん、サザエさん、カツオくん、そしてワカメちゃんの4名でした。
では、各相続人の相続分はどのくらいになるのでしょう?
民法では相続人の順位に応じて相続分が定められています(法定相続分)。これを磯野家にあてはめてみましょう。
民法900条
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号に定めるところによる。
1号 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
(中略)
4号 子、直系尊属、又は兄弟姉妹が数人ある時は、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、(略)。
条文に従うと、妻(配偶者)である舟さんの相続分は2分の1となります。
そして、子であるサザエさん、カツオくん、ワカメちゃんの3人は2分の1を平等に分けることになりますから、相続分は6分の1ずつとなります。
ちなみに、サザエさんが波平さんよりも先に亡くなっていた場合にはタラちゃんが相続人になります(代襲相続)。
この場合のタラちゃんの相続分は「サザエさんの相続分」、つまり6分の1です。
もっとも、相続人の全員で話し合い合意ができれば法定相続分と異なる相続分で分けることもできます。
例えば、舟さんが一人で相続財産の全部を相続することも、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんの合意があれば可能なわけです。