相続第3回「相続財産となるものは?」

弁護士の若林です。

少し間が空いてしまいましたが、
相続第3回目「相続財産となるものは?」です。
第2回で各相続人の相続分について説明しました。
法定相続分で分ける場合、妻である舟さんが2分の1、子どもであるサザエさん、カツオくん、ワカメちゃんがそれぞれ6分の1ずつ相続することになります。

相続分がわかったとして、その対象になるもの、つまり相続財産となるものにはどんなものがあるのでしょうか。

民法896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

すなわち、相続財産とは、被相続人が亡くなった時に存在するプラスの財産とマイナスの財産ということになります。ただし、財産の性質上被相続人のみが受け取ることができる権利は除きます。

では、プラスの財産としては具体的にどんなものがあるのでしょう。
よくあるものとして、
①現金 ②預貯金 ③自動車 ④不動産 ⑤有価証券
等が挙げられます。
この他、⑥被相続人がアパートやマンションを借りていた場合にはその賃借権も対象となりますし、⑦被相続人が訴訟中に亡くなった場合には原告・被告といった訴訟上の地位も原則として相続対象となります。

これに対し、⑧生命保険金については受取人が誰なのかによって相続財産となるかが変わります。同様に⑨死亡退職金の場合も支給規定によって左右されます。

なお、遺族年金は遺族の生活救済を目的とするものですから相続財産とはなりません。
香典についても、一般的には喪主に対する贈与とされていますので相続財産に含まれません。

次回以降、各財産についてもう少し詳しく説明していきたいと思います。

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