相続第9回目「改正相続法の概要―法改正の話②―」

弁護士の若林です。

7月に入りましたね!
今日から2019年下半期がスタートするわけですが、改正相続法も、一部の規定を除いて本日より施行されます!
本来であれば相続第9回目以降は引き続き「相続財産の内容」について説明をする予定だったのですが、せっかくなので今回から本日より施行される新制度について説明していきます。

さて、相続法の改正点の概要は以下のとおりです。
① 配偶者の居住権を保護するための方策
② 遺産分割等に関する見直し
③ 遺言制度に関する見直し
④ 遺留分制度に関する見直し
⑤ 相続の効力等に関する見直し
⑥ 相続人以外の者の後見を考慮するための方策

これらの概要をさらに細かく見ていくと
① 配偶者の居住権を保護するための方策として
(1) 配偶者居住権の新設
(2) 配偶者短期居住権の新設
② 遺産分割等に関する見直しとして
(1) 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定規定)
(2) 遺産分割前の仮払い制度等の創設等
(3) 遺産の分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲
③  遺言制度に関する見直しとして
(1) 自筆証書遺言の方式緩和
(2) 遺言執行者の権限の明確化等
④ 遺留分制度に関する見直しとして
(1) 遺留分侵害があった場合の権利が金銭債権化
(2) 金銭債務の全部または一部の支払につき期限の許与
⑤ 相続の効力等に関する見直しとして
(1) 法定相続分を超える権利取得の対抗要件
⑥ 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策として
(1) 相続人以外の被相続人の親族を保護する規定の新設
となります。

このうち、③(1)については、平成31年2月12日のブログでも触れたとおり、平成31年1月13日から施行されています。
また、①については、令和2年(2020年)4月1日から施行されることになっています。

つまり、②、③(2)、④~⑥についてが本日より施行されるわけです。
 
次回から、改正点の具体的な内容について説明していきます。

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