有期労働契約とは,期間の定めのある労働契約をいいます。
この有期労働契約は,契約期間が満了すれば,契約は終了することになります。
契約期間が満了した段階で,さらにその職場での勤務を希望する場合には,使用者と再契約をする必要があります。
再契約するかは使用者にも自由がありますから,再契約を断られた場合には,労働者はその職場で働くことができなくなります(いわゆる雇止め)。
しかし,有期労働契約であるとしても,長年に渡り契約が何度も更新されている場合でも,契約期間が満了すれば,退職扱いにできるとすれば,当同社は極めて不利で不安定な立場に置かれてしまいます。
そこで,判例は,有期労働契約が反復更新され客観的に期間の定めのない契約と変わりがないといえる場合や,雇用継続に対する労働者の期待利益に合理性がある場合には,雇止めには合理的な理由が必要であるとの判断基準を示すものがあり,雇止めに歯止めをかけていました。
現在では,上記判例法理が労働契約法に条文化されるに至っています。
ですので,有期労働契約の期間が満了した場合であっても,引き続きその職場で働くことができる可能性はあります。
契約を更新されないと言われてしまったけれども,引き続き働きたいとの希望がある場合には,弁護士などの専門家に相談してみてもよいかと思います。
次回は,最近報道などで話題にあがることが多い,有期労働契約の無期労働契約への転換申込権について,解説したいと思います。