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交通事故における損害について

2019-10-18

 弁護士の小沼です。

 今回は,交通事故の被害者になってしまった場合に,相手方に対して,どんな損害を賠償請求していくことになるかについてご説明します。なお,賠償が認められるのは相手方に過失が認められる部分(相手方の過失割合部分)に限られます。

1 車が壊れてしまった
 「修理費用」「代車費用」について請求することができます。この他に「廃車手続費用」「評価損」等が請求できる場合があります。

2 怪我をした
 「治療費」「通院交通費」「傷害慰謝料」「休業損害」等を請求することができます。後遺障害が存在する場合には「後遺障害慰謝料」「逸失利益」等も請求することになります。

3 死亡した
 被害者の相続人から請求することになります。具体的には「死亡慰謝料」「逸失利益」「葬儀費用」等を請求することができます。

 今回は,交通事故における損害の概略についてご説明しました。次回以降は,各損害の詳細についてご説明します。

残業代請求 ~労働時間の立証~

2019-09-24

弁護士の大和田です。

今回も残業代請求において、問題となる点を取り上げたいと思います。

 今回取り上げるテーマは、労働時間の立証です。

 残業代請求においては、当然のことながら、労働者の方で自分が働いた時間の立証をしなければなりません。

 多くの裁判例において、タイムカードなど客観的な記録により時間管理されている場合は、特段の事情のない限り、タイムカード打刻時間をもって実労働時間と推定されています。

 もっとも、客観的な証拠が手元にない場合には、それを入手するところから始める必要があります。

 会社側が開示に応じてくれればよいですが、それが難しい場合には、弁護士を通じた開示請求、文書送付嘱託、文書提出命令などの手段をとることも考えられます。また、タイムカードなどを破棄されるおそれがある場合には証拠保全の手続きを考える必要があります。

 これらの手続きは法的知識が要求されますので、証拠の入手に困っている時などは、弁護士に相談されてみてもよいかと思います。

相続第10回目「改正相続法の概要ー配偶者の居住権を保護するための方策」

2019-09-09

弁護士の若林です。

今回は、改正相続法のうち、①配偶者の居住権を保護するための方策について見ていきます。

 現代は「人生100年時代」という言葉が象徴する様に平均寿命が伸びており、従来に比べると相続開始時の配偶者相続人年齢が高齢化しています。そして、高齢の方にとって居住環境の変更は特に大きな負担となるため、相続開始後も住み慣れた住居での生活を希望される方が多いです。
 被相続人の財産に配偶者が居住している不動産が含まれている場合、上記希望を叶えるためには、不動産を配偶者が相続する(所有権を取得する)、又は、不動産を相続する相続人と配偶者間で賃貸借契約を締結する内容で遺産分割協議をまとめられれば良いのですが、残念ながら調整がつかないこともあります。
また、不動産を配偶者が取得することになった場合でも、不動産の評価額が高額で配偶者がそれ以外の相続財産(例えば預貯金や現金等)を相続することができず、今後の生活資金に不安が生じることもあります。
このような事態を踏まえ、法改正の結果、以下の内容の条文が設けられました。

民法第1028条
 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(居住建物)の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
 1 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
 2 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
(以下略)

 改正相続法では、配偶者に居住建物の無償使用権限を認める配偶者居住権を新設し、配偶者が居住建物に住み続けることができるようにしました。しかも、配偶者居住権の取得額は居住建物の所有権の取得額よりも低廉であるため、配偶者居住権を取得した上で更にその他の相続財産(現金や預貯金等)を取得しやすくなります。
 さらに、次回以降に触れる「持ち戻し免除の意思表示の推定」が及ぶ事案であれば、配偶者の具体的相続分から配偶者居住権の取得額を控除する必要がなくなります。

ライプニッツ係数をご存知ですか(交通事故の賠償請求)

2019-09-05

 弁護士の髙田知己です。みなさん、ライプニッツ係数をご存知でしょうか。一般の方はあまり聞き覚えのない言葉だと思いますが、弁護士にとって交通事故の賠償請求をするときに重要な概念となります。

 ライプニッツ係数とは、将来発生する損害、例えば介護費用や働いて得られるはずだった利益を、今貰う場合に減額することによって調整しようとするものです。具体的に考えてみましょう。まず、10年先に発生する損害である1万円を今請求するという場合を考えてください。もし利息が年に10%であれば、今1万円をもらうと10年後には利息が年間1000円10年で利息と合わせて総額2万円になってしまいます。運用を変えて複利にするとかするとさらに増額も見込めます。このように考えると将来もらえるはずのお金を今請求する場合には、少し少なめにしないといけませんよね。その調整のための計算方法がライプニッツ係数と呼ばれるものになります。

 しかし、現在実務上使われているライプニッツ係数は被害者側にとても不利なものと私は考えています。銀行などに預けておけばとても高い金利のついた昭和の時代であればともかく、現在は銀行に預けてもほとんど利息はつきません。

現在のライプニッツ係数はどのようなものか具体的に考えてみます。

 最初に10年間継続して発生する損害について考えます。1年間100万円の損害が発生するとした場合には、10年間で合計1000万円の損害が発生しますよね。では、ライプニッツ係数をかけるとどうなるでしょうか。

 10年のライプニッツ係数は7.7217になります。なので、この場合には、約770万円となります。

 しかし、これがバランスのとれた金額とお感じになるでしょうか。私には、そうは感じられません。

 では、50年間損害が継続して発生する場合にはどうでしょうか。同じく年間100万円の損害が発生すると考えると、50年で5000万円の損害が発生します。50年のライプニッツ係数は18.2559です。この場合には、約1800万円となります。これは、バランスを欠くと考えざるを得ない数字ではないでしょうか。

 この計算方法は現在定説といっても過言ではなくプロとしてはこれ以外の見解を主張することは著しく困難です。

 このライプニッツ係数は、上記のように利息というものがあることを前提に考えていて、現在の係数はこの年利が5%であることを基礎に導かれています。来春の民法改正により民法上の利息が3パーセントになります。そのため、令和2年4月以降の事故においては新しいライプニッツ係数が適用されることになりそうです。

令和元年9月5日 

別居後の生活費について

2019-08-29

弁護士の北村です。

 

髙田知己法律事務所では,交通事故や債務整理のみならず,離婚・男女問題についても数多くのご相談を取り扱ってきました。

離婚問題について弁護士にご相談されるタイミングは事案により様々ですが,別居が一つの区切りであることは少なくありません。

 

さて,別居中であっても,法律上夫婦は相互に扶養義務を負っています(民法第752条)。そのため,別居後,夫婦の一方(多くの場合妻)は,他方配偶者(多くの場合夫)に対して,生活費の支払いを請求することができます。いわゆる婚姻費用分担請求権です。

婚姻費用には,配偶者の生活費と子の看護養育費用の双方を含むと解されています(因みに,離婚が成立した後には後者すなわち養育費のみを請求することができます)。実務上は,夫婦双方の収入状況に応じた算定表が金額の目安とされることが多いです。

 

婚姻費用の金額について任意の話し合いで決まらなかった場合,家庭裁判所に調停を申し立てることができます(婚姻費用分担請求調停)。この調停は,離婚調停とは別の手続になります(多くの場合同じ期日の中で取り扱われることになりますが)ので,注意が必要です。調停でも決着が付かない場合,家庭裁判所が双方の収入などの客観的資料に基づいて審判を下すことになります。

調停や審判で婚姻費用の支払義務が認められたにもかかわらず,任意に支払がなされない(あるいは途中でストップする)ケースもあります。その場合には,義務者の給与債権等の強制執行(差押え)等を検討することになりますが,現行法の制度下なかなか容易ではない,というのが正直なところです。婚姻費用や養育費の支払実現については,法改正も検討されているようであり,今後の改善が待たれるところだと思っています。

臨時休業のお知らせ

2019-08-22

平素よりご愛顧を賜り誠にありがとうございます。

さて、誠に勝手ながら、8月28日(水)は社内研修のため、臨時休業とさせていただきます。

8月29日(木)以降は通常業務となります。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、ご容赦の程、よろしくお願い申し上げます。

 

所長 弁護士 髙田知己

令和元年8月の当事務所の受付時間について

2019-08-14

高田知己法律事務所の令和元年8月の受付時間について。お盆期間について通常通り9時から17時(お昼休み時間12時から13時)まで行っています。

人身傷害保険について

2019-08-10

 

弁護士の小沼です。

今回は,自動車保険における人身傷害保険についてご説明いたします。

1 人身傷害保険とは

 人身傷害保険は,自動車の任意保険に加入する際,特約として選択しうる保険です。交通事故により負傷した場合,自身の加入している保険会社から補償を受けることが可能となります。

2 利点

 加害者が任意保険に加入しておらず,同人の資力が十分でない場合には,自賠責保険以上の賠償を受けられない可能性があります。また,双方に過失のある事故の場合,相手方から支払われる賠償金は,相手方に過失が認められる範囲に限定されます。このように,相手方から賠償を受けられない場合に,自身の保険会社から補償を受けることができるというメリットがあります。

3 まとめ

 人身傷害保険を特約として付加する場合には,月々の保険料があがってしまうというデメリットはあります。しかし,交通事故は加害者を選べるわけではありません。加害者が任意保険に加入していなかったり,資力に乏しかったりすると,十分な賠償を受けられない可能性があります。もしもの場合に備えて,人身傷害保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

残業代請求 ~解決事例~

2019-07-16

弁護士の大和田です。

本日から、当事務所の各弁護士も弁護士ドットコムの掲載を開始しました。

私の方では、残業代請求の解決事例も載せており、今後も随時更新していく予定です。

弁護士に依頼する時にはどのような案件を扱ったことがあるかも気になるところと思いますので、参考にしてみてください。

次回以降は、また残業代請求で問題となることを取り上げていきたいと思います。

 

相続第9回目「改正相続法の概要―法改正の話②―」

2019-07-01

弁護士の若林です。

7月に入りましたね!
今日から2019年下半期がスタートするわけですが、改正相続法も、一部の規定を除いて本日より施行されます!
本来であれば相続第9回目以降は引き続き「相続財産の内容」について説明をする予定だったのですが、せっかくなので今回から本日より施行される新制度について説明していきます。

さて、相続法の改正点の概要は以下のとおりです。
① 配偶者の居住権を保護するための方策
② 遺産分割等に関する見直し
③ 遺言制度に関する見直し
④ 遺留分制度に関する見直し
⑤ 相続の効力等に関する見直し
⑥ 相続人以外の者の後見を考慮するための方策

これらの概要をさらに細かく見ていくと
① 配偶者の居住権を保護するための方策として
(1) 配偶者居住権の新設
(2) 配偶者短期居住権の新設
② 遺産分割等に関する見直しとして
(1) 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定規定)
(2) 遺産分割前の仮払い制度等の創設等
(3) 遺産の分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲
③  遺言制度に関する見直しとして
(1) 自筆証書遺言の方式緩和
(2) 遺言執行者の権限の明確化等
④ 遺留分制度に関する見直しとして
(1) 遺留分侵害があった場合の権利が金銭債権化
(2) 金銭債務の全部または一部の支払につき期限の許与
⑤ 相続の効力等に関する見直しとして
(1) 法定相続分を超える権利取得の対抗要件
⑥ 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策として
(1) 相続人以外の被相続人の親族を保護する規定の新設
となります。

このうち、③(1)については、平成31年2月12日のブログでも触れたとおり、平成31年1月13日から施行されています。
また、①については、令和2年(2020年)4月1日から施行されることになっています。

つまり、②、③(2)、④~⑥についてが本日より施行されるわけです。
 
次回から、改正点の具体的な内容について説明していきます。

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