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土浦の弁護士からの自賠責保険、人身傷害保険の利用の提案

2016-06-13

自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法に基づいて、自動車の運行による人身事故の被害者を救済するために、すべての自動車について契約することが義務づけられている保険のことです。義務付けを強制されているところから強制保険(きょうせいほけん)とも呼ばれています。
自賠責保険だけですと、賠償限度額の問題から、実際の交通事故の賠償に対応できなくなることも少なくありません。例えば、後遺症などが残った場合を除いて、自賠責保険の傷害事故の支払限度額は120万円です。これは、交通事故の際の治療費、通院費、休業損害、慰謝料など全ての総額に対する支払限度額です。足りない場合も多く、任意保険に加入することは、ドライバーとして必須となっています。
任意保険というのは、自賠責保険で足りなかった部分を支払ってもらうために加入する保険です。通常の場合は一括対応といって、任意保険会社が窓口になり、自賠責保険と任意保険の保険金を一括して支払います。そのため、多くの場合には自賠責保険について意識する必要はありません。
では、意識するときとはどのような場合でしょう。例えば、傷害にかかわる賠償請求の際に、自分の過失が9割といった、被害者側に過失が多いときに意識する必要が出てきます。自賠責保険は人身事故の被害者を救済するための保険です。そのため、被害者側に過失が多い場合でも被害者に有利な考え方をします。過失が9割ある場合には、賠償金は9割減額されるのが、法律上の考え方ですが、自賠責保険の場合には自賠責保険の基準で算出した賠償金ではありますが、減額は、2割だけですみます。自らの過失が多い場合でも、重度の後遺障害を負ってしまった場合などは、相当の金銭的な賠償が必要です。少しでも多くの賠償を受けることができるように工夫をすべきです。
なお、このように被害者側の過失が多い場合には、人身傷害保険を検討することが不可欠です。まだまだ、実務上定着しているとまではいえないところですが、人身傷害保険をうまく利用することによって、このような過失減額が事実上減らせるもしくは無くなることがあります。
人身傷害保険は、被害者ご自身が加入している任意保険の話です。多くの方が加入している保険ですので、賠償請求の際には、ぜひ検討してください。また、この話は少し複雑なところもありますので、弁護士費用特約の無料法律相談や各事務所の無料法律相談を利用すると良いでしょう。

交通事故の損害ー後遺障害について

2016-05-31

弁護士の北村です。

今回は、交通事故による後遺障害について説明します。

 

交通事故によってお怪我をされ、治療を受ける場合、体をすべて元通り回復させたいと考えるのは当然ですし、そうなるに越したことはありません。ところが実際には「これ以上治療を続けても今以上に改善するとは見込めない」とされる時期がやってきます。これを「症状固定」といい、治療費や通院に伴う慰謝料等を請求できるのは症状固定日まで、ということになります。

 

症状固定とされても、いまだ残存している傷痕や症状について後遺障害等級の認定が認められた場合には、等級に応じて逸失利益や後遺障害慰謝料等の請求することができます。後遺障害認定の手続きとしては、加害者側の任意保険会社に手続きを進めてもらう事前認定と、被害者自らが手続きを進める被害者請求の2通りがありますが、どちらを選択するかはケースによりけりです。

 

後遺障害と一口に言っても、その内容・程度はかなりの多岐にわたります。とりわけ重度の後遺障害が認定された事案(例えば、寝たきりで要介護になってしまったような事案)では、加害者側の任意保険会社からの逸失利益・慰謝料等の提示額も「かなりの数字」になります。ですが実のところ、かなりの数字とは言っても、裁判実務上認められうる損害額との間には少なからぬ開きがあることが多いのです。言い換えると、保険会社から大きな金額の提示を受けている事案こそ、弁護士を依頼するメリットが大きい可能性がある、ということです。

 

高田知己法律事務所では、重度後遺障害事案の経験も豊富にあります。保険会社から金額の提示を受けたら、一歩立ち止まって弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

刑事事件①

2016-05-13

弁護士の大和田です。

刑事事件における国選弁護人と私選弁護人の違いについて,何回かに分けて連載していきたいと思います。

 

今回取り上げるテーマは弁護人を呼べる時期についてです。

国選弁護人は裁判所が選任しますが,その選任される時期は,勾留後又は起訴後です。

つまり,逮捕された段階では,国選弁護人を呼ぶことはできません。

これに対し,私選弁護人であれば,逮捕直後であっても,罪を犯したと疑いを掛けられている方のために,活動することができます。

この違いは,ことのほかその後の身柄拘束に大きく影響することがあります。

私選弁護人であれば,検察官に勾留請求しないように求める意見書を提出したり,裁判官に検察官の勾留請求を認めないように求める意見書を出すことができます。このような私選弁護人の活動によって勾留を回避し,早期に身体的拘束を解くことができることがあります。

逮捕直後から弁護活動をしてほしいと言う場合には,私選で弁護人を付けるメリットは大きいと思います。

 

当事務所では,弁護士が6人おり,迅速に対応できる場合が多いです。

身内の方が逮捕されてしまったなど,刑事事件でお困りのことがあれば,当事務所までご連絡下さい。

法人破産手続ーその1「従業員のお給料の扱い②」

2016-05-09

弁護士の若林です。

 

今回は未払賃金立替払制度の内容について説明します。

 

法人が法律上の破産手続きを進める中で未払賃金等の立替払いを受けるためには、

次の要件をすべて充たしている必要があります。

 

まず、事業主側の要件として

① 労災保険の適用事業の事業主、かつ、1年以上事業を実施していた

② 倒産したこと

次に、労働者側の要件として

③ 破産手続開始の申立日の6ヶ月前から2年間に退職したこと

④ 未払賃金額等について、破産管財人が証明していること

⑤ 破産手続開始の決定の日の翌日から2年以内に立替払請求をしていること

 

これらの要件を充たす場合には、退職日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期給与と退職金を立替えてもらうことができます。

ただし、ボーナスは立替払いの対象とはなりませんし、未払総額が2万円未満のときにも対象外となります。

立替払いの金額は未払賃金総額の8割ですが、退職時の年齢に応じた上限が定められています。

 

各要件の細かい説明は割愛させていただきますが、法人の代表者の方に注目していただきたいのは制度を利用するためには期間制限があるということです。

未払賃金立替払制度の対象となるのは、③の要件のとおり、裁判所に破産手続開始の申立てをする6ヶ月前までに退職した人だけです。

例えば、ある法人が2016年5月1日に裁判所に破産手続開始の申し立てをした場合、立替払いを受けられるのは2015年11月1日以降に退職した人のみ、ということになります。

つまり、破産手続開始の申立てが遅くなると、そもそも未払賃金立替払制度の利用ができない事態に陥る可能性が出てくるのです。

 

せっかくの制度が使えない・・・ということにならないためにも、早めにご相談にいらっしゃることをお勧め致します。

「交通事故の損害について」

2016-04-26

弁護士の小沼です。

本日は,交通事故に遭われた場合,相手方にどんな損害の賠償を請求することになるかに関して,ご説明させていただきます。

 

1 車が破損した場合

車が破損した場合には,修理費用を請求することになります。もっとも,修理費用が際限なく認められるわけではなく,事故当時の車の時価が修理費用の限度額となります。また,代車費用も一定期間,認められる場合があります。

2 怪我をした場合

治療費,通院のための交通費,怪我をしたことの慰謝料,仕事を休んだ分の損害を請求することになります。後遺症が残ってしまった場合には,更に後遺障害に関する慰謝料,逸失利益を請求することになります。

3 過失割合

「車が破損した場合」や「怪我をした場合」には,相手方に前述の請求をすることになりますが,損害の全額が認められるとは限りません。過失割合と言う問題が生じえます。過失割合とは,簡単に言えば,交通事故でAさんに100万円の損害が生じても,Aさんの過失が20%,Bさんの過失が80%であれば,請求できる金額は,自身の過失部分20%(20万円)を差し引いた80万円に過ぎないというお話しです。

4 弁護士特約

自動車保険の特約として弁護士特約をつけている場合,弁護士費用は,自身の加入している保険会社が負担してくれます。事故に遭われた場合には,ご自身の保険の契約内容をぜひご確認ください。

 

以上簡単にですが,交通事故の損害賠償請求について,ご説明させていただきました。当事務所では,交通事故に関する皆様のご相談をお待ちしております。

交通事故の損害 休業損害について 土浦の一弁護士の考え方

2016-04-21

交通事故で負傷し、その療養のために休業したことによって生じた収入の損害がある場合には、これを損害として賠償請求をすることができます。

お給料をもらっている方の場合には、原則として事故前の現実の収入金額から算出した金額及び休業日数を用いて算出します。このとき、被害者の方が、有給休暇を使った場合には、現実には収入の減少はありませんが、減少があったものと考えて請求するのが一般的です。

事業者の場合には、休業損害の検討は複雑な場合が多いです。事業を営んでいる被害者の事故によって受けた傷害やその療養が、被害者の営む事業にどのような影響を与えたかにより個別具体的に判断されます。

学生や失業者など事故前に具体的な収入がない方の場合には、休業損害が認められないのが原則です。もちろん、個別的に休業損害が認められる場合もあります。

では、専業主婦の方はどうでしょうか。学生さんなどと同じように具体的収入がないという点に着目すれば、専業主婦の方も休業損害はないといえそうです。しかし、過去の裁判例は、専業主婦の方の休業損害を認めています。収入のある主婦の方でも、主婦としての休業損害を請求したほうが良い場合もあります。さらに、男性の方であっても、いわゆる主夫の方であれば主婦の休業損害と同様にみるべきですし、ご高齢で奥さんの介護をしてらっしゃる男性の方などでもこのような休業損害が認められる余地があるでしょう。

 

 

新年度。

2016-04-14

弁護士の北村です。

早いもので、新年度になって2週間が経ちました。

私たち弁護士の多くは、個人事業主であり、かつ弁護士登録をした時期が12月~1月なので、3月末・4月頭が年度の節目だという感覚はそれほどありません。裁判所や検察庁ではこの時期に人事異動があるので、それを見るにつけて年度替わりを実感するといったところです。

この時期は、新しい環境の中で、新しい人との出会いが多い時期ですが、裏を返すと、それに伴って様々なトラブルないし法律問題が起こる可能性も高い時期だといえます。また、これまで胸につかえていた問題を心機一転片付けないと、という気持ちが強くなる時期でもあるかと思います(こちらばかりではなく、相手の方が法的なアクションを起こしてくることも少なくない印象です)。

お困りごとがおありでしたら、一人で悩まずに、まずは当事務所までご連絡ください。

 

第32回全国倒産処理弁護士ネットワーク 水戸

2016-03-23

弁護士の高田です。

水戸で行われた、第32回全国倒産処理弁護士ネットワークに参加してきました。

地元での開催ということもあり、楽にアクセスすることができます。

いつものように裁判所から、茨城県内の破産等の法的整理申し立て状況が、伝えられます。

破産手続きには、事業者や不動産などの財産を持つ方などの手続きである管財手続きと生活費の借り入れなどで返済可能額を超えてしまった場合などの同時廃止の手続きがあります。

どちらの手続きが選択されるかは、裁判所の判断によるのですが、近年管財事件になることが多くなったようです。

もちろん、管財事件が選択されるのは、管財事件として調査などの必要性がある場合ですが、管財事件が選択されると、少なくとも管財人の費用として別途25万円から30万円の現金が必要になります。破産等の法的整理に際して、この費用を捻出することはなかなかたいへんです。しかしながら、計画的に積み立てをすることにより確保するなどいくつか考えられる方法もありますので、弁護士にご相談をいただけるとよいと思います。

この研修会では裁判所、弁護士などが参加して行うパネルディスカッションも行われまし総合司会の飯島章弘先生の素晴らしい進行で、本では学べない勉強をすることができました。あらためて、本研修会の良さを感じることができました。次回も可能な限り参加したいと感じました。

主婦の方が交通事故に遭われたら

2016-03-22

弁護士の大和田です。

今回は,主婦の方が交通事故に遭われた場合の賠償についてお話しさせていただきます。

 

交通事故の損害項目の中には,休業損害という項目があります。

読んで字のごとし,交通事故によって仕事を休んだ場合に貰える賠償金のことです。

 

では,外で仕事をしていない,あるいはしているが主に夫の収入で家計のやり繰りをしている場合,主婦の方は休業損害をもらえないのでしょうか。

 

答えはNOです(休業損害は貰える場合があります)。

交通事故によって,家事ができなくなった場合には,それを損害として休業損害を請求できます。

 

現在の実務では,賃金センサスの女子平均賃金をもって損害額を算定するのが一般的です。

 

また,兼業主婦の方(パートタイマー,アルバイト)の場合は,現金収入の金額と女子労働者の平均賃金を比較していずれか高い方を採用する扱いとなっております。

 

このように,主婦の方でも休業損害は生じる場合がありますから,事故の相手が休業損害は払わない,あるいは休業損害の金額に納得がいかない場合などは,当事務所の交通事故相談室までご連絡下さい。

法人破産手続 - その1「従業員のお給料の扱い①」 -

2016-03-09

弁護士の若林です。

 

法人破産手続第1回目のテーマは「従業員のお給料に関するもの」です。

 

従業員を抱える法人代表者の方が破産手続きを進める中で一番に気にされるのが、お給料の支払いです。

「既に給料の未払いが発生している。」

「今月は何とか払えたが来月分が払えない。」

「従業員達に迷惑をかけるのは何とかして回避したい。」

こんなご相談をよく受けます。

 

お給料は従業員やその家族の生活を支える大切なものです。支払いが滞れば法人だけでなく従業員の生活まで立ち行かなくなってしまいます。

そのため、破産法では、従業員の破産手続開始前3カ月間の給料請求権を財団債権として扱い、破産手続とは関係なく随時支払うことを認めています(破産法149条1項)。

また、上述期間以外に発生した給料請求権については、破産手続きの中で処理することにはなりますが、優先的破産債権として一般破産債権よりも優先的に配当が受けられるように位置づけています(破産法98条、民法306条2号)。

 

もっとも、破産手続開始時に会社に資産があればいいでのすが、それすらないという場合も多くあります。いくら優遇的な扱いをされても、支払に充てる原資がなければ意味がありません。

 

この場合には、「未払賃金立替払制度」を利用することができます。

未払賃金立替払制度とは、企業の倒産によって毎月の賃金や退職金が支払われないまま退職した労働者に、国が事業主に代わって、未払賃金の8割を立替払いする制度です。

利用要件はありますが、破産する法人に資力がない場合の労働者のためのセーフティーネットとして大きな役割を果たしています。

 

未払賃金立替払制度の利用要件等詳細について説明を・・・

と思ったのですが、少し長くなってしまいました。

制度の詳しい説明は、また次回に致します。

 

次回もぜひお付き合いくださいね。

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