Archive for the ‘相続に関する質問’ Category

「遺言について」

2016-06-27

弁護士の小沼です。

本日は,遺言に関して,ご説明させていただきます。

 

1 遺言の種類

民法上,①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言の3種類が規定されています。各遺言の要件は次のとおりです。

2 ①自筆証書遺言

遺言者が,遺言の全文,日付,氏名を自署し,押印しなければなりません。これらが1つでも欠けると,遺言が無効となります。

3 ②公正証書遺言

ア 証人2人以上の立会いのもと,遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し,

イ 公証人が口述を筆記し,これを遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させ,

ウ 遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後,各自がこれに署名・押印し,

エ 公証人が方式に従って作られた旨を付記し,署名・押印します。

4 ③秘密証書遺言

ア 遺言者が証書に署名・押印し,

イ 遺言者がその証書を封じ,証書に用いた印章をもってこれに封印,

ウ 遺言者は公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出し,自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述し,

エ 公証人がその証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後,遺言者及び証人とともにこれに署名・押印します。

5 まとめ

①自筆証書遺言は,簡易に作成できるという利点がありますが,専門家が関与しないことから,遺言が有効に成立しているかに不安が残ります。

②公正証書遺言は,手続きが複雑で費用も掛かりますが,公証人という第三者が関与しており高い信頼性を有します。お勧めできる遺言の方式です。

③秘密証書遺言は,あまり用いられていません。

なお,遺言は撤回が自由であり,前の遺言が後の遺言と抵触する場合には,抵触する部分について,前の遺言は撤回されたものとみなされます。

以 上

茨城の弁護士 相続の話 3

2015-08-27

弁護士の高田です。前回に続いて、相続について考えてみたいと思います。

相続は、多くの人にとって、何度か発生することのある法律上の問題です。この際、不動産や預貯金など、積極的な財産が相続されるだけなら良いのですが、借金や義務などが相続されることもあり、注意して当たる必要のある事柄です。

相続は、民法上、①単純承認、②相続の放棄、③限定承認の三つの種類があります。

今日は、③限定承認について、説明したいと思います。

限定承認とは、相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務等を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることです(民法第922条)。

条文上の表現だとわかりにくいですが、つまり、限定承認をすると、相続で取得する財産で被相続人の借金等をすべて支払って残りがあればこれを相続できるが、相続で取得する財産を超えて借金等が残ってしまえば、これについては責任を負わなくて良いということです。

被相続人と同居している場合であれば、被相続人がどの程度の財産を持っていて、借金がどの程度あるかわかることが多いでしょうから、単純相続や相続放棄で対応ができると思います。しかし、被相続人と生前に疎遠である場合などは、被相続人がどの程度の財産や債務を負っているかわからない場合が多いでしょう。このような場合には、考えても良い制度の一つだと思います。

茨城県の弁護士 相続の話2

2015-06-17

弁護士の高田です。前回に続いて、相続について考えてみたいと思います。

相続は、多くの人にとって、何度か発生することのある法律上の問題です。この際、不動産や預貯金など、積極的な財産が相続されるだけなら良いのですが、借金や義務などが相続されることもあり、注意して当たる必要のある事柄です。

相続は、民法上、①単純承認、②相続の放棄、③限定承認の三つの種類があります。

今日は②相続の放棄について、説明したいと思います。

相続の放棄をすると、放棄した人はその相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(939条)。

相続の放棄をすると預金や不動産などの財産を承継しないだけではなく、債務も承継しなくてすみます。ここに相続放棄の特徴があります。

相続の放棄は、遺産分割協議書上の相続放棄(自分は一切遺産を取得しない旨の遺産分割)と混同されることがあります。遺産分割協議書上で被相続人の債務を負わない旨の記載をしたとしても、これを被相続人の債権者に主張することはできません。家庭裁判所において相続放棄の手続をしなければ、相続人はその相続分に応じて被相続人の負っていた債務を負うことになってしまうのです。

相続の放棄を行うためには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述の手続を行うことになります。また、前回お話ししたように期間の制限もあります。手続に必要な書類を集めることに意外と手間取ることもありますので、はやめに対応することをおすすめします。

必要な書類は、相続放棄をする人と被相続人との関係によって異なります。被相続人の住民票除票又は戸籍附票、放棄をする人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本などが要求されます。

茨城県の弁護士 相続のはなし

2015-04-13

弁護士の高田です。今日は、相続について少し考えてみたいと思います。

相続は、多くの人にとって、何度か発生することのある法律上の問題です。この際、不動産や預貯金など、積極的な財産が相続されるだけなら良いのですが、借金や義務などが相続されることもあり、注意して当たる必要のある事柄です。

相続は、民法上、①単純承認、②相続の放棄、③限定承認の三つの種類があります。

まず、①単純承認について、説明したいと思います。

相続の多数が、この単純承認の形で行われています。単純承認をすると、相続人は、被相続人の権利義務を無限に承継することになります(民法920条)。

民法上は、相続財産を処分した場合や、上記の②相続の放棄、③限定承認を一定の期間内にしなかった場合などに、単純承認になります(民法921条)。

上記の一定期間について、民法は、「相続人は自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」と規定しています(915条1項)。

この期間は、熟慮期間と呼ばれています。3か月はとても短い期間です。この期間を伸ばす手続きもありますので、検討してみても良いでしょう。

また、この期間は、被相続人が亡くなってから3か月以内というように誤解されていることも多いようです。熟慮期間が過ぎてしまっているか否かは、専門家に相談の上、判断されると良いと思います。

 

遺言作成の際の注意点①

2013-04-12

弁護士の若林です。

4月も中旬に入り、すっかり春になりましたね。

事務所隣の亀城公園は、桜色から新緑へと色を変え、

お堀には、色とりどりの小さなこいのぼりの群れが飾られています。

ぽかぽか陽気も続きますし、散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

 

さて、今回は、遺言に関するお話をします。

遺言は、亡くなった方の自己財産処分に対する意思が示された大切な書類です。

そのため、遺言がある場合、基本的にはその記載内容に従って相続がなされることになります。

ただし、前提として、その遺言が有効に成立している必要があります。

なお、遺言の方式には複数ありますが、今回は自筆証書遺言について触れることにします。

 

自筆証書遺言が有効に成立しているというためには、次の要件を満たしている必要があります。

① 全文を遺言者が自筆していること

② 作成日付が書かれていること。

③ 遺言者の氏名が書かれていること

④ 押印がなされていること。

また、加除訂正する場合にも厳格な方法が定められています。

この要件を満たさない場合、残念ながら遺言としては成立せず、効力が生じないことになります。

 

せっかく作成したのに効力がない!

なんていう事態に陥らないためにも、遺言作成の際には、専門家にご相談することをおススメします。

 

 

 

 

 

 

 

相続の問題 茨城県での相続法律相談

2013-02-22

弁護士の程塚です。

相続の問題は、実はとても身近な問題です。

父親が亡くなったっとき、母親のとき、そして自分、と

たいてい3度は、相続の機会が、いやおうなく訪れます。

 

まず、よく問題になるのが、

「遺言で、遺産が全部、1人に相続させることになってしまった。」

「生前に財産が贈与されていた。」というものです。

この場合、法律上、最低限残された取り分(遺留分といいます)を請求することになります。

時効が非常に短いので、心当たりの方は、今すぐ、お電話ください。

 

次によく問題になるのが、

「借金の方が財産よりも多いのだが、自宅だけは何とか残して、このまま住みたい。」

この場合、複雑な問題になり、解決方法は事案によって様々です。

また、相続放棄をするにしても、期限がとても短いです。

ぜひ、専門家である弁護士に依頼されることを、お勧めします。

被相続人の借金は相続放棄で回避できます。弁護士に相談してください。

2012-12-10

弁護士の高田です。

相続は親しい人が亡くなる悲しいことですが、多くの方に発生してしまうものです。このときには、相続に関する法律知識が重要となります。

相続人が行える行為としては、単純承認、限定承認、相続放棄が考えられます。今日はこの相続放棄について考えてみたいと思います。

相続は不動産や預貯金・株式などプラスの財産を相続するばかりではありません。被相続人に借金がある場合には、借金を相続してしまいます。プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合には、相続放棄が有用です。相続を放棄するとその効果として、はじめから相続人とならなかったことになります。そのため、借金を相続しなくてもすみます。注意してほしいことは、相続を放棄すると、その結果、他の親族が相続人となってしまうことがあることです。たとえば、父、母、子の三人家族で父が亡くなった場合を考えます。母や子が相続を放棄すると、父の父母や兄弟が相続人になる場合があります。兄弟が亡くなっていれば、その子つまり、亡くなった父の甥姪が相続人になる場合もあります。借金が理由で相続放棄をする場合、法律関係が複雑になる場合もあるので、弁護士へ相談すると良いと思います。

相続放棄で注意して欲しいことのもう一つは、放棄できる期間が3カ月ととても短いことです。借金などが理由で相続放棄が必要かもしれないと考えたときには、すぐに行動をすることをお勧めします。弁護士に相談する場合にも、借金を理由とする相続放棄の相談である旨を伝えてください。多くの弁護士が早めの相談予約を入れてくれると思います。なお、この3カ月の期間をどこから考えるかは法律解釈が必要なところです。被相続人が亡くなってから3カ月ということでは必ずしもないので、あきらめずに行動してみることをお勧めします。

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