Archive for the ‘交通事故に関する質問’ Category

交通事故・弁護士の考え方・対人賠償の対象その5(治療費関係3)

2014-06-27

・入院諸雑費
入院される際には、治療費の他に通常の日常生活では必要のないような出費がかかると思います。これは入院諸雑費として損害賠償の対象です。ただし、内容については、日常必要のないものという観点で、迷うところの多い項目でもあります。
(基本的には日常生活でも通常かかる経費は含まない、と考えればよいかと思いますが、とりあえずは領収書を整理しておくことをおすすめします。)
自賠責保険では一日あたり¥1,100-の定額を定めており、領収書等を提出しなくても、入院日数×@1,100-の算定をします。
領収書が提出された場合、入院諸雑費に当たるかどうか精査した上で、一日につき¥1100-を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な金額が支払われます。
自賠責保険で賠償の範囲とされない入院諸雑費であっても請求できる場合もあります。弁護士がお手伝いする場合には一日あたり¥1500-で考えることが多いです。
購入した物品の他にも、家族が連絡等に入院先に出向く必要があるとか、手術の立会いを求められるなどの損害もありますが、これらは雑費とは別に、家族の駆けつけ費用(事故場所が遠距離の場合等)など考えていくことになります。

長くなってしまいましたので、看護費用等は、次回に書きます。

交通事故・弁護士の考え方・対人賠償の対象その4(治療費関係その2)

2014-06-20

「治療期間はどのくらいまで認められるのか?」という質問も多いのですが、基本的には期間を制限するという考え方はありません。
期間が問題となるのではなくて、治療が長期化した場合には、その時点での治療効果が問題になるのだと考えてください。一定の治療を試みた後、同じ施術、治療方法を繰り返し続けても症状が改善しない場合、医師に相談し、所定の検査、診察判断を経て治療方法の検討が必要となります。
 ここで症状固定という考え方が出てきます。
 症状が、一定のレベルで安定してしまい、もはや治療の効果を期待することができない、という事態は、不本意ながら起こりえます。これを症状が固定した状態、「症状固定」と呼びます。
症状固定となった場合、治りきらずに残存した症状は多くの場合「後遺障害」と呼ばれる損害として考えることになります。
(後遺障害については後日、稿を改めて書く予定です。)
 以上のように、治療の期間に制限があるわけではありません。長期化した場合など、症状の詳細、医師の意見などを踏まえての検討が必要となります。

長くなってしまいましたので、入院雑費、看護料などは次回に書くこととします。

交通事故・弁護士の考え方・対人賠償の対象その3(治療費関係その1)

2014-06-13

治療費は、医療行為として一般に認められている診療、施術をうけるために必要とされる対価です。場合によっては医療行為として公の認定(例えば自賠責保険の認定)を得られない医療機関があるのでご注意ください。(概ね健康保険の適用される医療機関は大丈夫と考えて間違いありませんが、その他にも認められるものもあります。)
 誤解されてる方が多いですが「交通事故は健康保険(社会保険・労災保険)がきかない」というのは半分正解で半分は不正解です。健康保険の被保険者(健康保険に入っている人)であれば基本的に健康保険で治療が受けられます。
ただし交通事故の場合はその旨を健康保険に届け出る必要があります。
(交通事故の治療費をすべて健康保険が負担する訳ではなく、健康保険は負担した診療費用の内、加害者の賠償責任分について後日、加害者もしくは加害者の契約する自動車保険宛てに請求します。半分正解、と言ったのはこれがあるからです。)
先ずは被害者が一時的にでも健康保険適用外の高額な治療費負担を強いられる、ということは基本的にはありませんので、ご安心下さい。
 
 交通事故に関しては「治療期間はどのくらいまで認められるのか?」という質問も多いので、次回はこの問題について書きます。

交通事故・弁護士の考え方・対人賠償の対象その2《損害の分類》

2014-05-30

 ここでは①治療関係費用、②休業関係損害、③慰謝料関係の三つの分類についてご説明します。

 最初に治療費が目に見える出費として発生します。通院するについては交通費がかかります。入院した場合はそのために必要な(通常の日常生活では必要ない)物品も必要になるでしょう。他にも色々ありますが、これらが①治療関係の損害となります。

さて、こうして治療するために、働いている人なら仕事を休む場合もありますし、そうでなくても日常生活の時間が奪われるわけです。

治療のために仕事を休み、収入が減少した損害が②休業関係損害になります。

ケガのために日常の時間を奪われ、日常生活が乱された損害は③慰謝料として考えることになります。

これらは、治療を必要とすることから発生せざるを得ない訳です。

(ちなみに賠償理論では、治療関係費用を積極損害とし、休業関係損害を消極損害と呼んで分類・整理しています。)

 ここでは三つに分けられた全体の構造を心にとどめてください。すべての損害がここに分類できるわけではありませんが、さまざまに発生する損害がどのように分類されるのかの理解の助けになると思います。

 

次回からは治療関係費用等、各分類の内容について書いていきます。

交通事故・弁護士の考え方・対人賠償の対象その1《はじめに》

2014-05-30

 何が対人賠償の対象となるのか、何が対象とならないのか、という疑問は多く相談されるところなので、大まかに整理してみます。

 何が賠償されるのか、何を賠償するのかと言えば、事故によって発生した通常の生活では必要のない出費です。例えば治療費等が発生したことが一番わかり易いでしょうが、これだけでは済みません。その他に、仕事ができずに収入が減ってしまったことやケガによる苦痛を受け、日常の自由な時間を奪われ、日常生活が乱された損害もまた、賠償されねばならないものです。さらに、場合によっては学業に支障をきたし、進級を妨げられる等の損害が発生することもあります。

 このように色々な損害が発生するわけですが、交通事故の損害賠償項目は、大きく、①治療関係費用、②休業関係損害、③慰謝料関係の三つに分けて整理するのが一般的でもあり、わかり易いかと思います。

 

 次回は、この三つの分類(賠償の三本柱)の関連について考えます。

交通事故の相談 弁護士特約をご活用ください

2013-05-17

弁護士の程塚です。

当事務所では、交通事故の案件も多数扱っております。

 

相談は、

「後遺障害の認定を受けたが、慰謝料や休業損害が少ない。

増額するよう、保険会社と交渉してもらえないか。」

といった内容が、多くを占めます。

その場合、裁判例等をもとに保険会社と交渉すると、訴訟をしなくとも、増額される例が多いです。

 

そういう時に、任意保険で「弁護士特約」に入っていると、

保険会社が弁護士費用を負担してくれますので、

依頼者の方は、安心して、ご相談、ご依頼をすることができます。

年額2000円程度が多いようです。

 

実は、相手の過失が10、自分の過失が0、という場合(信号停車時の追突など)、

自分の保険会社は示談交渉をしてくれません。

相手が任意保険に入っていれば、相手の保険会社で出てきてくれますが、

実は、任意保険に入っていない車が、意外と(非常に?)多いのです!

その場合、自分で加害者と直接やり取りをしなくてはならず、

かなりの労力を費やさなくてはならない場合が多いのです。(しかも、事故後の苦しい時期に!)

そういうとき、弁護士特約に入っていれば、費用は保険会社もちで、弁護士に依頼できます。

 

そういう事態に備えて、弁護士特約の加入、ご活用13701380436832をお勧めします。

弁護士費用特約 交通事故

2013-03-01

弁護士費用特約というのをご存知ですか 任意保険に加入していれば多くの場合、任意保険会社の担当者が、相手方と交渉してくれます。でも、すべての場合で交渉してくれるわけではありません。例えば、追突事故のような場合です。100%相手が悪い事故の場合、自分で加入している任意保険会社は交渉してくれません。被害者ご自身が交渉・請求しなければならないのです。 このようなときに、弁護士費用特約をご加入の任意保険につけておけば交渉を弁護士に任せることができます。しかも、弁護士費用特約は、保険を使用しても等級に影響を及ぼさないということです。

また、任意保険の担当者が交渉しても、相手方によっては拉致があかないこともあります。そのような場合には、裁判などの法的手続きが必要です。このときも弁護士費用特約は役に立ちます。

あなたの車の任意保険内容を確認してみてください。そして、相談時もしくは電話で弁護士費用特約に入っている旨をお伝えください。あなたにとってもっとも負担のない方法を考えさせていただければと考えています。

交通事故案件における後遺障害による遺失利益

2012-08-21

交通事故で被害を受けてしまった方の損害を回復するひとつの手段として、後遺障害による遺失利益の請求があります。
後遺障害による遺失利益とは、被害者の方の身体に後遺症が残った場合における、労働能力が減少に伴う、将来発生するはずだった利益の遺失のことをいいます。
計算式としては
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の年数に対応するライプニッツ係数
を使うのが一般的です。
しかし、実際の後遺症の症状、被害者の方の就業状況などは様々で単純に答えが導き出せるものではありません。
被害者の方と十分に話し合うことによって、一人一人にあった解決方法をを見つける必要があると考えています。
後遺障害による損害を請求するために、一般的には、医師から後遺障害の内容や程度について記載された後遺障害診断書をつくってもらい、損害保険料率算出機構から後遺障害等級認定をしてもらう必要があります。

土浦支部交通事故勉強会2

2012-08-09

弁護士の高田です。
先月に引き続き、茨城県弁護士会土浦支部に所属する弁護士を中心とした、交通事故勉強会に参加しました。
今回も多くの弁護士が参加していました。講師の先生は前回と同様に大変魅力ある講義を行ってくれまして2時間半があっという間に終わっていました。
交通事故に限ったことではありませんが、法律や裁判例は変化してゆきます。交通事故については保険契約の変化にも対応する必要があります。

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